当時の斎藤氏は、パワハラ疑惑などで県議会による不信任決議が可決されたことで失職、裸一貫で出直し選挙に臨もうとしている時だった。まだ世論も味方につけておらず、孤独な戦いを挑むことに不安も大きかったのだろう。

「ほそぼそとした声で、大丈夫かなと思いました。私は『しっかりしてください。あなたは全然悪くないから、大丈夫。同情するわけではないが、あなたのことをパワハラだと言うなら、私だってパワハラの10乗くらいになりますから』などと冗談を言って、私なりに元気づけようとしました」

 しかし、この時期は兵庫県知事選に日本維新の会の前参院議員の清水貴之氏が出馬することが取り沙汰されており、藤川氏も“斎藤支援”を約束できる状況ではなかった。