20代の頃は仕事の付き合いやコミュニケーション形成のために酒の場を楽しんでいたが、「飲み方がおかしくなった」のが35歳から40歳の時期。煩わしさから飲み会を断り、自宅で一人で飲むことが次第に増えたという。「一人飲みは周囲に気を使うこともないので効率が良かった。記憶をなくすまで浴びるように飲んでいた」

 アルコール依存症を認め、自助会にも参加し、自己を見つめ直した山口さん。現在は過去を冷静に振り返ることができるようになったと言い、日ごろ抱えていた不安感から生じた「生きづらさ」を、「酒に酔うことで自分を殺し生きてきた」と客観視している。「過去や他人は変えられないけど、自分と未来は変えることができる。心がつぶれていたのに気づけたことで、導き出せた答え」と語った。