文春砲の「裏側」は?週刊文春現役記者に聞く「1週間」と「秘密道具」

例えば性加害問題の取材。「被害を受けた証言者がいて、現場がホテルだった場合、部屋の間取りを書いてもらったり、家具の色を聞いたりします。その時、ソファの色を『青』と答えたとします。青色といっても、薄い水色から濃い藍色まで、たくさん種類がある。そこで50種類の色鉛筆を使って忠実に書いてもらい、証言の精度を高めていきます」と本山さんは狙いを説明します。

 現場を知る証言者が複数いれば、同じように書いてもらい、色が近ければ証言の信頼性は高く、色が違っていれば低いというように検証につながるといいます。「あとは裁判対策の意味もあります。訴訟になったとき、ここまで深く取材をしているという証明になります」。本山さん自身、使い始めてから1年ほどですが、今後も重要な取材で活用するつもりです。