令和4年7月1日

ある日、友人と歩いていると、道端で奇妙な男に出会った。
男はぼんやりとした目つきで、ずっと何かをつぶやいている。

「安倍晋三…安倍晋三…安倍晋三…」

その場では特に気に留めず通り過ぎたが、なんとなく耳に残る。
数日後、ニュースで安倍晋三元首相が亡くなったという報道を見たとき、あの男の言葉が頭をよぎった。

「あの男、ずっと安倍晋三を連呼していたけど、偶然なのかな…」

モヤモヤした気持ちを抱えながら、もう一度男に会いに行こうと現場に向かう。すると、男はまだ同じ場所にいて、同じようにつぶやいていた。

再び耳を澄ましてみると――彼が言っていたのはこうだった。

「安倍死ぬぞ…安倍死ぬぞ…安倍死ぬぞ…」