朝日新聞2025年1月21日 15時06分
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 横浜市鶴見区で同居する交際相手の長男(当時4)を暴行して死亡させたなどとして、傷害致死などの罪に問われた元配管工の内田正也被告(32)の裁判員裁判で、横浜地裁(吉井隆平裁判長)は21日、無罪(求刑懲役12年)を言い渡した。

 起訴内容によると、被告は2017年9月24日、自宅で同居する女性の長男紺野叶志郎(きょうしろう)ちゃんのおでこを殴って1週間のけがを負わせ、18年1月23日、頭や首に強い力を加えて、急性硬膜下血腫などで死亡させたとされる。22年の逮捕直後に容疑を否認し、公判でも一貫して無罪を主張していた。

検察側は、長男に生じた頸髄(けいずい)損傷などは強い外力によるものだと主張。女性は不在で、犯行が可能なのは被告だけだと指摘していた。

弁護側は、たんの誤飲による窒息やソファからの転落などで死亡した可能性があるなどと反論していた。

 事件をめぐっては、死亡の約4カ月前の17年9月、被告による長男への暴力について、女性は神奈川県警に相談していた。ただ、女性が事件化を望まず、被告と同居しない意向を示したため、県警は横浜市中央児童相談所に書面で虐待を通告する対応を取った。横浜市によると、児相は虐待を認定したものの、長男を保護していなかった。