お別れ会の中で、安倍晋三首相(64)から寄せられた弔電が紹介された。近藤真彦(55)が代読した。

 【全文】

 心より哀悼の意を表します。突然の訃報に世代を超えて、日本中が大きなショックを受けました。それはジャニーさんが昭和、平成、そして令和と、それぞれの時代を代表するスターを生み出してこられたことの証左だと思います。それぞれの人の胸に、それぞれの青春の時代のジャニーズ・スターがいる。その歌声に、そのパフォーマンスに多くの人が魅了され、明日への希望と元気をもらってきたことは間違いありません。

 ジャニーさんは半世紀以上にわたり、まさに我が国を代表するプロデューサーとして、ショービジネスの世界に新風を吹き込み、エンターテインメントの新たな可能性を追い求めてこられました。同時にタレントの皆さん1人1人と人間として向かい合い、育みながら、その新たな挑戦を後押ししてきました。

 今や、歌や演劇のみならず、映画、ドラマ、バラエティー、報道情報番組など、タレントの方々の活躍は単なるアイドルとした枠だけでなく、大きく拡大しております。すべてはジャニーさんという希代のプロデューサーの存在なくしてはあり得なかったことだと思います。


 エンターテインメントを通じて、世界中に幸せを送りたい。倒れる間際まで、劇場やスタジオに足を運び、次の時代を担う若者たちへの熱心な指導を続けられたのは、そのほとばしるような情熱のなせる業であったことでしょう。

 令和の新しい時代を迎え、今月からは我が国で初めてのラグビーW杯が開幕します。来年は東京五輪・パラリンピック、2025年には大阪・関西万博。日本全体が大きく盛り上がっていく、まさにこのときにジャニーさんを失ったことは本当に残念で仕方ありません。


 しかし、ジャニーさんのエンターテインメントへの熱い思い、託したバトンは、必ずやジュリーさんや滝沢さんをはじめ、次の時代を担うジャニーズの皆さんへとしっかり受け継がれていく。私はそう確信しております。

 ですから、ジャニーさん、どうか安らかにお眠り下さい。これからも後進の方々の活躍、発展をどうか見守ってください。日本中にたくさんの勇気と感動を与えて下さり、本当にありがとうございました。

令和元年9月4日

内閣総理大臣 安倍晋三