長野市のJR長野駅前で男女3人が刃物で刺されて死傷した事件で、無職矢口雄資(ゆうすけ)容疑者(46)(長野市西尾張部)が女性に対する殺人未遂容疑で逮捕されて2日で1週間となる。矢口容疑者は長野県警の調べに黙秘を続けており、認否も動機も不明なままだ。関係者によると、自宅は電気が止められ、生活は苦しかったとみられる。県警は詳しい生活状況を調べている。

 地元住民などによると、矢口容疑者は同市内で3人兄弟の末っ子として生まれた。市立の小中学校に通い、県立高校を卒業。一時、県外で暮らしていたが、10年ほど前に市内の実家に戻って生活していたらしい。近所の70歳代男性は、「出かける様子を見たこともあったが、物静かでふつうの青年に見えた」と語る。

 現在の自宅は実家から約1キロ離れた場所にある4階建てマンションの一室。関係者によると、矢口容疑者は2020年に契約し、一人で暮らしていた。近隣住民との目立ったトラブルは確認されていないが、電気の供給が止められていたという。

 高校の同級生の男性によると、矢口容疑者は高校時代、各クラスから選出される生徒会長候補になるなど、人気者だったという。男性は「さわやかなやつで、彼を嫌いな人はいなかった」と振り返り、事件について、「全く想像ができない。驚いている」と語る。

 事件は1月22日午後8時頃に発生。長野駅前で、市内の会社員丸山浩由さん(49)が胸などを刺されて死亡し、バスを待っていた男性会社員(37)が背中を刺されて全治2か月の重傷、女性会社員(46)も背中に軽傷を負った。

 県警は同26日、女性会社員に対する殺人未遂容疑で逮捕。防犯カメラなどの映像をつないで足取りを追う「リレー捜査」と市民からの情報提供などによって容疑者が浮上したという。
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