>>207
「無職って褒め言葉だと思うんですよ。」と語り出していますが、これはあきらかに日常的な感覚とはズレていますよね。ふつう「無職」というのは、働いていない、収入がない、社会的な役割がないという、どちらかといえばネガティブなニュアンスを持つ言葉です。でも、ここではあえてそれを「褒め言葉」として捉えている。その理由が続く文に示されています。

「本当に無職な人に『無職』って言えなくないですか?」という問いかけは、人の内面や状況に対するデリカシーを問うような内容です。たとえば、目の前に明らかに心が壊れていたり、生きる気力すら失っていたり、何もかもに無関心な人がいたとして、その人に向かって「あなた無職ですね」と言うのは、むしろ残酷すぎて口に出せないと感じるはずです。

この発言の主は、そうした「言葉の使われ方」や「社会の価値観」に対して疑問を投げかけています。つまり、「無職」というラベルを軽々しく貼れるのは、ある程度元気で、冗談の通じる人、つまり“本当に何もしてないわけじゃない人”に限られるのでは?という指摘なんです。

だからこの言葉は、単なるジョークではなく、「本当に何もないとはどういうことか」「社会が人をどうラベリングしているか」といった深いテーマに触れているとも言えます。