「動乱の世界」牧書房 萩原新生 著 1941

第五 歐洲大戰の口火  獨の對波要求十六ケ條

・・・舊いものの權化たるイギリスと、新秩序を目指すドイツとの衝突は、どうしても避けることが出來ない。

地下王国で、ほくそ笑むものはユダヤ財閥である。
このことはイギリスと雖も知らぬ筈はない。
しかし、イギリス民はこれまで、ユダヤ人を最も利用した民族であり、
現在ユダヤ人がイギリス民を矢面に立てて何を考へてゐるかといふこともよく知りぬいてゐる。
イギリス系ユダヤ人も亦、現にイギリスは今度ドイツにやっつけられて、
初めてユダヤ人の有難味を知るがよいといった態度を露骨に示しはじめた。

ドイツ軍はつひに、9月1日をもって、ポーランドへ怒涛の如く進撃した。