>>220
・・・18世紀末頃より英国は更に東漸して極東に進出した。
それは英国に不要なインド産のアヘンを支那に売り付けて支那茶を買わんとする濡れ手に粟の広東通商が主たるものであった。
極東貿易は年と共に重要性を加えて来た交通の要衝シンガポールは1824年に土人から適当に買収してしまった。

・・・アヘンの甚害を本来後進国に訓えて止めさすべき筈の英国が、却って当時
清国の禁制を破ってまで不道義にアヘン売込の何がしの利益を儲けんが為めに、
英国貿易の保護の為めという莫迦げた口実の下に
遂に武力に訴えて支那人を押えつけた暴戻極まるアヘン戦争なるものが
何ものよりも最も雄弁に英国というものが一体どんな国柄であるか今日に至るまで全豹的に物語っているのである。

これが一英商人の行為ならまだしも、先進国家の行動としてたれ憚らず敢てやっているところに
英国の世界制覇なるものの凄まじさと浅間しさを感ぜざるを得ない。