>>332
atheistくん、おはようございます。本日の聖句は使徒第28章です。

21節について略解は、「船酔いなどで食べられない状態のこと」と解説しているが
どちらかというと訳が悪いのです。
原文ἀσιτίαςは、α否定の接頭語+σιτος(穀物・食べ物)で、原意は「食料がない」という
意味ですが、実際の用法ででは「食べない状態」のことです。
海が大荒れで、船酔いし、「食べない状態」だったということです。
なので田川建三は「ひどく食べれない状態になった」と訳しています。
原文直訳は「大きな食べれない状態があった」です。

陸地に近付いた時、船酔いで14日間食べずにいた人たちにパウロはパンを
割いて食べましょうと勇気づけたということですね

ちなみに、「276人」という写本と「およそ76人」という写本があり、
有力写本のほとんどがは276人なので276人が本文として採用されていますが
「およそ76人」が原文であった可能性も50%程度あるようです。
フランシスコ会訳註は両説を紹介した上でヨセフス『自伝』に600人乗りの記述が
あるので古代でも276人はありうるとしています。でもヨセフスの数字はたいてい
オーバーなので説得力はないです。

38節で積み荷である穀物を捨てたのは座礁回避ですね。喫水をあげるためです
しかしそれでも座礁してしまいます。