>>639
ということはやはりユダ王国ないしは将来ユダ王国を形成する南部ユダ族の作者が
北部の最有力部族であるエフライム族に対して敵対心をもっていたってことなんでしょうね

さて79章は1節目で分かるようにバビロニアによるエルサレム陥落を嘆く詩だと思います

今回気になったところは、8節です
ここは現状の悲惨を自分たちの不義ではなく先祖たちの不義に帰しているように読めます
たしかに8節では「われらの罪をおゆるしください」と言ってはいますが
これは自分たちの罪の自覚というよりもむしろ、今の惨状からの救いを求める呼びかけであるように
思いました

というのも今までのパターンだと自分たちが神に対して罪を犯したから、その罰が自分たちに
くだったのだ、というような自責の念や悔い改めが感じられる記述が聖書には多かったように思うからです
ここではそれがほとんど感じられません

もちろん今まで読んできた詩篇でも敵に対する神の報復を求める点は共通してますが
現状の不幸の原因を先祖たちの不義に帰しているように見受けられる箇所は
ほとんどなかったように思います

ヨブ同様、作者に自覚すべき罪がなかったのかもしれませんし
現状があまりに悲惨で自責の念を感じる余裕すらなかったのかもしれませんから
別に罪を自覚しろというわけではないのですが、やや今までのパターンとは異なるように感じた次第です