>>755
atheistくん、おはようございます。本日の聖句はローマ第10章です。

2節「大きな悲しみ」「絶えざる痛み」
まず、蘊蓄。
λυπηには「悲しみ」という意味は無い。「痛み」だと田川建三が主張しています。
私の持っているキリスト教の辞書には「悲しみ」とあります。
さて本題。
パウロスはここで「選民イスラエル人」ではなく「異邦人」が選ばれたということを
主張するのですが、イスラエル人パウロスは、そのことについて
「大きな悲しみ」「絶えざる痛み」を持っていると告白しているわけです
そして三節で
「ユダヤ人のためなら自分がキリストから離されても厭わない」ほどの気持ちだと
弁明しているのですが、これはフランシスコ会訳註によると、出エジプト32:32のパクリですね

32:32今もしあなたが、彼らの罪をゆるされますならば――。
しかし、もしかなわなければ、どうぞあなたが書きしるされたふみから、
わたしの名を消し去ってください」

選民であるはずのユダヤ人らが信仰しないという罪で、救われなかった。
同胞のためならば、その罪を身代わりとなって代償してもよいということですね
と言いつつ、パウロスは
「お前たちは、キリストの十字架の贖いと復活を信じないので滅びる定めだ」と
宣告しているわけですので彼の中に矛盾した感情が渦巻いていたのでしょう