>>990-991
口語訳で「空」と訳されている言葉は息や蒸気という意味で
まあ、捉えようとしても捉えられない、実体がない、儚い、くらいのイメージを喚起する
ことばですね

さて3章ですが、冒頭8節までは印象的な繰り返しですね
すべての行いにはその時があり、永遠に続くようなものではない
かように諸行無常であれば、生きている間は楽しく愉快に過ごすしかない(12節)

18節以下もユニークです
通常キリスト教では人は獣に勝る存在として語られますが
コヘレトでは、みなちりから出てちりへと帰るのだから、獣となんら変わらないと語ります

4章も聖書の中ではユニークな語り口で、2-3節などはまるで反出生主義のことばのようです
よく分からないのが5節で、これはどういう意味でしょうか?

8節以降はひとりよりふたりのほうが共に協力しあえるので良い、という感じで
箴言の教訓に近いような言い回しになってます

全般的にやはり諸行無常感が漂いますが、3章の11節(神のなされることは皆その時にかなって美しい)や
13節(労苦によって楽しみを得ることは神の賜物)のように神への信頼があって
必ずしも厭世的なトーンで一貫しているわけではありませんね