>>69
大きくは異教を駆逐したキリスト教、という筋書きであっても
ルカとしてはパウロ派こそが本当のキリスト教と信じていたので
異教の駆逐と他派の駆逐という二重の構造がこの章のプロットにはあるわけですね

パウロ派は聖霊の奇跡を売りにしている、ということですが
それがパウロ派が結局キリスト教の主流になった主因ということなんですかね

20世紀のキリスト教でも聖霊派が躍進するのは、聖霊体験という非日常や
癒しや繁栄といった奇跡に人々が魅了されたことが大きいのだと思います
現在のアフリカなどで聖霊派の一種と言っていい繁栄の福音が大躍進しているのも
アフリカの土着的呪術信仰の伝統との親和性もあるでしょうが
やはりこういった癒しや繁栄という奇跡の強調が大きな理由となっているのだと思います