原巨人が中継ぎ左腕クロール獲得 育成の看板捨て、この期に及んで「9人目補強」の悲しい性

 巨人の助っ人はシーズン中の補強を含め、9人になることが多い。今季も「デッドライン」に到達してしまったことになる。巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言う。

「またか、という感じですね。この試合の前まで、ヤクルトとは13.5ゲーム差。もう球団史上最大の逆転優勝時の差(2008年=13ゲーム)を上回っていて、現実問題として、リーグ優勝は難しい状況。それでも巨人は諦めていないという姿勢を見せないといけないのでしょう。ただ、今のままでは2位の座も危うい。今はCSもあるので、Aクラスを死守するためにも、課題のブルペン陣強化を新外国人の補強に頼ろうということでしょう。とはいえ、助っ人はすでに8人もあふれ返っている。『発掘と育成』を掲げるのなら、補強ではなく、ファームからいきのいい左腕を抜擢できないものか。巨人の選手だって、この期に及んでまだ補強するのかとアキれているでしょうから」

 昨季も8月に補強したハイネマンが9人目の助っ人だった。20年は8人で戦い、9月に育成のウレーニャを支配下に昇格させ、最終的には9人となっている。

 思えば、高橋由伸前監督時代は違った。1年目の16年は7人(途中から8人)で開幕し、翌17年は6人(同5人)、18年は5人でスタートし、開幕後に育成から昇格した3人を加えて戦っている。

「由伸時代と比べて、(19年からの)3回目の政権で『全権』を与えられた原監督がいかに好き放題に助っ人獲得を要求しているか。阪神にも外国人選手が8人いるように、目利きに自信がない球団は“数撃ちゃ当たる”戦法になって人数が増えていく傾向がある。勝てないから、手っ取り早く補強するというのは、原監督の性と言えます」(高橋善正氏)

 巨人はトレードでも日本ハムの経験豊富なセットアッパー左腕・宮西尚生(37)らを水面下で調査中。原巨人の飽くなき補強はまだ終わらない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/92ab3f438d94928c3110484b98e5d278a2091221