結局、社会人野球の名門・ENEOS入りが決まったが、その交渉の際にも塩見は“天然”ぶりを大いに発揮した。スカウトに来ていたENEOSの副部長の説明を聞いていた時のこと。「是非うちで一緒にやらないか!」と嬉しい言葉をかけられたはずの塩見の反応がどうも鈍い。見かねた唐澤監督がこっそり、「ちょっと待て。エネオスって会社知ってるか?」とたずねると、塩見は「スタンドでしょ? エネゴリですよね?」とポツリ。

「あいつ、ガソリンスタンドで働くと思っていたんですよ。さらに入部が決まった後で面談した際には、“塩見くんはどういうタイプのバッターなの?”という質問に“僕は右打ちです!”って胸張って答えたらしい。相手の方は最初、右の逆方向に打てる打者、という意味で捉えたらしいんですが、塩見は単に“右打者”って意味だった。そんなの知っとるわ! ってね(笑)」

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