https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/08/02/kiji/K20160802013082060.html

 13年から始まったアンパイア・スクール。応募者130人前後から書類選考などで約60人に絞られる。約1週間のスクールでは、球場で6時間の指導、夕食後に2時間30分の座学がある。
審判技術委員長の井野修氏は「テスト(実技や筆記)で100点を取るにこしたことはないが、技術は審判の道に進めば自然と身に付く。ひたむきな姿や体の切れ、協調性を見ています」と話す。
合格者は若干名。2月の宮崎キャンプでの2次試験を突破して、研修審判として採用される。

だが、ここからが本当の戦いだ。研修審判は独立リーグで1~2年は経験を積む。1カ月に1度、リーグからリポートが入る。そこには20前後の項目に「A~D」の判定が下されている。
最終的には、11月のフェニックス・リーグが育成審判へ「昇格」する最終試験の場だ。「育成審判」はプロの2軍戦で3年程度経験が必要。NPB審判員となっても、2軍で3年前後、経験を積む必要があり、1軍までの道のりは6年以上かかる。審判員は1年契約の年俸制。どこまでも査定がつきまとう。

 収入面も「研修審判」はリーグ戦が行われる6カ月で約100万円。「育成審判」は1年契約で約300万円程度。BCリーグに派遣されている研修審判は熊谷市内の一軒家を借りて共同生活している。夜はテレビで1軍の試合を見て先輩の動きから学ぶ。審判漬けの日々が続いている。