23日の花咲徳栄(埼玉)との決勝前までの5試合で6本塁打を放ち、清原和博氏(PL学園、5本)の1大会本塁打記録を破った広陵の中村奨成捕手(3年)。
球界待望の走攻守揃った捕手だが、中井哲之監督(55)は「中学生の頃は、どうしようもないバカだった」とバッサリ。
ヤンチャだった少年が球史に名を刻む強打者に成長した裏には、監督の熱い言葉と、
女手ひとつで育ててくれた母、そして祖父母への思いがあった。
「初めて中村を見たのは中学2年の頃でした。プレーはすごかったが、『野球だけうまかったらええんや』という感じでしたね。
周囲への態度にそれが表れとった。髪形も学校で注意されそうな感じでね。
スター選手がいるチームではよくあるんです。指導者も注意できない。ヘソを曲げて、いなくなられたら勝てないですから」
中村自身が「自分を変えようと思っていた」ところに、同監督の言葉が突き刺さり、その指導を受けたいと広陵への進学を決意した。
入学直後こそ「洗濯機の使い方もわからなかった」が、寮生活の中で掃除、洗濯、食後の片付けなど、親に頼りきりだった事を行うようになると、
次第に自分のことだけでなく周囲にも目が行くようになった。いま、中村はベンチ入りできなかった選手たちへ感謝を口にしている。
「いまのあの子の立ち居振る舞いはどうですかね。普通の若者以上じゃないですか? 
仲間への思いやり、控え選手のおかげでプレーできていることを理解している」と、
どれだけ打っても褒めない中井監督も目を細める成長ぶりだ。
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