小学生時代の村上選手はイガグリ頭がかわいらしい少年だった。

 地域の野球クラブで幼稚園から始めた野球だが、最初は「硬いボールやだ」とべそをかき、お母さんを困らせた。そんな少年をお母さんは「そんなんで泣いたら野球できんよ」と叱咤激励。そのおかげもあって、野球が大好きになった――こんなふうに村上選手は小学校6年生の時の卒業文集に書いた作文で振り返っている。

 4年生で入団したスポーツ少年団では月・水・金が練習で土日に試合。加えて、家で素振りもしていたというから、小学生のころから“野球漬け”の毎日がうかがえる。

 6年生になると硬式野球を始めた。当時の指導者によると、ミートのうまい巧打者ではあったものの、中学2年生まではホームランを打つタイプではなかっ