一方、巨人が戦況を厳しくしたのは今オフ、FA戦士の井納に戦力外通告を行った点も影響したという見方もある。

 FA権を行使し、2020年オフに2年総額2億円でDeNAから巨人に移籍した井納は2年でわずか1勝にとどまり、今オフ、戦力外通告を受けた。

 契約初年度の昨季はわずか5試合に登板し、0勝1敗に終わるも、迎えた今季は中継ぎとして7試合に登板。特に8月には3試合連続無失点など好リリーフもあったが、結局ファーム落ちを告げられ、そのまま戦力外通告を受けた。

「チームのブルペンが苦しい時期、先発も経験し、ロングリリーフも対応できる井納活用を推す声もあった。結果としてそのまま戦力外通告を受けたことで、『もったいない』という声もある」(球界関係者)

 また近年の巨人では、昨年の陽岱鋼含め、FA戦士の契約最終年が不振でも「泣きの1年」として契約延長オファーがあることも多かったが、井納に関してはこの点もなかった。

 「FA宣言する選手は他球団の動向もよく見ているもの。移籍時にいい言葉はかけられるが、最後は厳しい処遇を受けるとなれば、敬遠するのも当然といえる」(同)

 井納への「非情通告」も、森がオリックス入りを決断した要因となったのではないかという見方だ。