「肥満の改善を助ける薬」の承認了承、来春にも薬局で販売へ 厚労省

 厚生労働省の専門家部会は28日、大正製薬(東京都)が申請していた肥満の改善を助ける飲み薬について、国内での製造販売の承認を了承した。腸で脂肪の吸収を減らすとされる。3月に正式に承認される見込みで、それ以降に一般販売される。薬剤師がいる薬局で販売できる、肥満を対象とした初めての薬になる。

 この薬は「アライ(一般名・オルリスタット)」。有効成分が腸内の酵素に作用することで、食事によって得る脂肪を吸収しにくくする効果があるとされる。1日3回食中~後に服用。運動や低カロリーな食事と組み合わせて使う。欧米ではすでに承認されており、英グラクソ・スミスクライン社が販売。国内では大正製薬が販売を担う。

 対象は18歳以上。肥満症にいたる前の段階での使用を想定しており、男性は腹囲が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上の人が使用対象になる。脂質異常症や高血圧などの基礎疾患がある人や妊婦らは使えない。