間違いなく球界の未来を背負える逸材。西武が早くも来年ドラフトでの1位指名を見据え、花巻東のスラッガー、佐々木(動画)を徹底マークする方針を固めた。

佐々木は大阪桐蔭の前田、広陵(広島)の真鍋、九州国際大付(福岡)の佐倉と1年時から「四天王」と称され、今夏に視察した際に本塁打を目の当たりにした西武・渡辺久信GMが「球が上がれば(スタンドに)入っちゃう」と絶賛する左打ちの長距離砲。
体重115キロの巨体を生かしたパワーと巧みなバット操作で逆方向にも大きな打球を放つ。

11月の年内最後の練習試合だった横浜隼人戦でも2本塁打。高校通算本塁打を106とし早実・清宮の111本塁打の最多記録更新は確実だ。来春の選抜出場は絶望的な状況のため、来夏に今春以来となる甲子園出場を目指し練習に励んでいる。

球団が評価するのは実力だけでなくスター性と人間性。高校の先輩にはともにメジャーで活躍する菊池、大谷がいるが、特に同じ左打ちの大谷とは縁が深く、金ケ崎リトルシニアでプレーした中学時代は大谷の父・徹監督から指導も受けた。
スターの系譜を受け継ぐ怪物は大谷のスイングを参考にしており、日課の素振りの際は「対戦」をイメージすることも。現在は本職の一塁だけでなく捕手、三塁、外野にも挑戦するなど、偉大な先輩と同様に向上心も旺盛だ。

球団の長距離砲の育成には定評がある。過去には清原、秋山、近年でも中村をスケールの大きな大砲に育て上げ、その中村は現役最多の454本塁打。渡辺GMは監督時代、レギュラー定着前の中村に対し「たまに本塁打を打ってくれたら三振してもいい」という指導方針を貫き、
その後のブレークに導いた。現チームで不動の4番の山川も球界を代表する長距離砲。佐々木にとっても成長するための環境が整っている。

花巻東とは09年のドラフト会議で渡辺GM(当時監督)が6球団競合の末に菊池を引き当てた縁もある。今後もスカウト会議を重ねて指名選手を絞り込んでいくが、佐々木への高い評価は不変だ。いよいよ迎える怪物の高校生ラストイヤーとなる23年。その一挙手一投足に熱視線を注ぐ。
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