送りバントは絶滅危惧種!? このチームは昨年162試合で1本だけ

昨年、アトランタ・ブレーブスは、珍記録を樹立した。レギュラーシーズンの162試合中、犠牲バントは1本だけ。
それも、160試合を終えた時点では0本だった。それまで、19世紀の記録がはっきりしないシーズンと1チーム60試合に短縮された2020年を除くと、
1シーズンに犠牲バントが4本未満のチームはなかった。1本ではなく0本なら、もっと話題になっていたに違いない。

また、ブレーブスの3倍ながら、ロサンゼルス・ドジャースの犠牲バントも、3本しかなかった。
メジャーリーグ全体において、2022年は犠牲バントが激減した。2021年の766本に対し、2022年は390本だ。
これは、ナ・リーグもDHを採用し、投手が打席に立たなくなったのが理由だが、その前から、犠牲バントは減少の傾向にある。

この減少は、さらに加速する可能性もありそうだ。

 三塁に走者がいる状況――他の塁にも走者がいる状況を含む――の犠牲バント、ほぼすべてがスクイズは、すでに絶滅しかけている。
2021年は60本、2022年は27本だった。1チーム平均2本と1本未満だ。

 それ以外の犠牲バント、送りバントについては、アウトを増やして走者を進めるのは有効な手段ではない、という認識が広まっている。

 例えば、アウトの数と走者の人数と位置を組み合わせた状況――3×8=24パターン――のそれぞれから、イニングが終わるまでに
平均何点が入ったかを示す、得点期待値は、「無死一塁から」と「1死二塁から」を比べると、基本的に、後者のほうが少ない。
各状況から、イニング終了までに1点が入る確率を示す、得点確率も同様だ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/unenatsuki/20230104-00331465