今回の有原の移籍に対して、球界内外から「ブーイング」が起きている。「超大型補強」を進めるソフトバンクに対して…と思いきや、矛先はそこではないようだ。前出・記者が続ける。

「ソフトバンクは昨シーズンに球団史上に残るV逸をしてしまった。そこからエースの千賀が抜けるわけですから、当然先発の補強に動くのは確実視されていました。問題は有原が古巣の日ハムではなく、しかも同一リーグのソフトバンクを選んだという点です。

現在、ポスティングでメジャー移籍をした選手が日本の古巣球団に戻らなくてはいけないという規則はありません。しかし、わずか2年で同一リーグの他球団に移籍するというのは信義則上問題があるのではないでしょうか。今後、このシステムを抜け穴的に使うケースが出てくる可能性はあります」

折りしも同じ1月5日に千賀のSNSでの投稿が話題を呼んだ。ポスティングを5~6年前から志願していたにもかかわらず、球団から話し合いの場すらなかなか設けてもらえなかった…と心境を吐露したのだ(現在は削除)。在京球団関係者は次のように語る。

「ポスティングは自軍の戦力が大きく削がれるという多大なデメリットがある。それだけでなく、チームの主力選手がわずか2年で同一リーグのライバル球団に移籍してしまうかもしれないと考えたら、ポスティング容認に後ろ向きになる球団が出てくる可能性はある。今回日ハムが有原獲得にどこまで動いていたかははっきりしないが、3年15億円ということであれば、マネーゲームを回避した可能性もある。今後は千賀のように”飼い殺し”のようになってしまうケースも出てくるでしょう」