紅白戦が始まる約6分前。おもむろに新庄監督が一塁側ベンチから出てきた。向かうのは、かつての庭である中堅。続いてジャージー姿の稲葉GMは右翼、森本コーチは左翼へ。現役時代と同様に互いの距離感などを調整しながら、それぞれの守備位置に就いた。その時点で試合開始まで、あと2分。その場を離れない3人の元へ白組の外野3選手が走って駆け寄った。場内はざわついたが、パフォーマンスでは、ない。

 新庄監督 紅白戦の前に俺たちが現役時代にやっていた動きを選手に教えようって。久々にやってみたけど距離感がわからない。「稀哲、こんなに遠かった?」「こんなに近かった?」「いやいや、こんなもんでしたよ」ってやりとりを外野の選手に伝えた。

 試合が始まっても、3人は外野グラウンド内にとどまった。1球ごとに守備位置の考え方を丁寧にアドバイス。「センター中心で、あっちゃん(稲葉GM)と稀哲とやっていたものを急にはできないと思う。わかってもらえるように常に今年は気がついたら言う」。1回裏の紅組の外野陣も同じく指導した。