新庄スペシャル発動だ。午前練習の最後。予定を変更して行ったノックは、外野は右中間と左中間に2人だけ。内野は二塁手が二塁ベースの後方を守り、左翼手が二塁手の定位置に就く“内野5人シフト”で敢行。2死二塁の状況を設定して様々な打球を処理するテストを行った。

 林ヘッドコーチは「きのうミーティング終わってから夜、監督と話をして、そういうプレーをしてほしいということで今日の練習の中に入れたということです」と新庄監督肝いりのシフトであると説明した。

 内野手を増やして、ゴロを外野に抜かせないのが最大の狙い。外野手を2人にするリスクについては「足の速い外野手がいるので、フライが上がってもカバーしてもらえるかなと。そういう意図です」と言う。五十幡、江越、浅間、矢沢ら、外野手に俊足がそろうことで可能になるシフトだった。

 二塁ベースの後ろで守った加藤豪は「アメリカではすごいシフトを敷くので」と守備位置については問題ないことを強調。この日のミーティングで選手に意図が説明されており、「どのシチュエーションでも(シフトをやる)みたいな感じでした。ゴロを打たせるピッチャー対ゴロが多い打者のときはそれを使いたいみたいな話でした」と明かす。土壇場の局面だけでなく、投手、打者のデータをもとに流動的に採用する考えだ。

 今季の新庄野球は「1点を防ぐ野球」がテーマ。林ヘッドコーチは「どのタイミングでするかっていうのは分からないですけど、機会があったらする可能性はあると思います」と言う。今後のオープン戦、練習試合などでテストし、実用性があればシーズン中も活用していく。