日本は今、世界一の投手王国――。世界最高峰のリーグであるMLB関係者が「間違いなくナンバーワン」とお墨付きを与えたのが、日本投手陣のレベルの高さだ。

 WBCで7試合を戦い、チーム防御率2・29は出場チーム中トップで「今永(DeNA)、戸郷(巨人)、伊藤(日本ハム)とか…。メジャーリーグの球団でも、間違いなく先発ローテに入れる投手がゴロゴロいる」と質量ともに群を抜いていたと振り返る。

 世界各国のリーグを視察に訪れるMLBスカウトによると、これは短期決戦のなかでの〝偶然〟ではなく、むしろ必然とのこと。「正直、今回は米国代表にデグロム(レンジャーズ)とか、バーランダー(メッツ)とかMLBのトップが入っていないから、一概にトップかどうかの比較はできないけど。米国、韓国、中南米、オーストラリア…どの大陸をとっても、日本が今は一番、レベル高い」。併せてこれにより今年、必ず起こる現象もある。それは今オフ以降のメジャー各球団による日本人投手の争奪戦だ。

「今オフなら今永(DeNA)、日本代表以外でも上沢(日本ハム)、青柳(阪神)とか…そのレベルの投手はポスティングなり、FAなりで『行く』と意志表明さえすれば、みんなメジャー契約できると思う。逆を言えば、それぐらいMLBは特に、先発投手陣が不足している。どのチームも年間10人ぐらいは必要なのに、規定投球回を投げる投手が2、3人ぐらいしかいないチームが多いから」

 投手陣に限ればNPBのレベルは今や世界最高水準。特に先発ローテとして、複数年レベルで実績を積み上げた人材の希少価値は、本場・MLBからも認められるほど高いものになっている。今オフ以降、新たに海を渡ろうとする日本人投手にとっては、売り手市場ともいえる〝追い風〟が吹いている。