今年2月には、1年早くメジャーに渡った鈴木誠也(カブス)が、記者に『晋太郎、“練習短っ”って言ってませんでしたか?』と尋ねる場面もありました。鈴木によれば、メジャーのキャンプは練習時間が非常に短く、自分で練習方法を模索しないと、いくらでもラクが出来てしまう。藤浪が戸惑わないようにという親切心からのアドバイスですが、同学年の親友は藤浪の“サボり癖”を知っていたのでしょう」(野球ライター)

 また、「人の話を聞かない」というのも、藤浪を語る上での1つのキーワードだ。

「かつてOBの江夏豊が古巣を指導した際、江夏はキャッチボールの大切さを説きましたが、『藤浪だけはまったく耳を貸さなかった』と語っています。藤浪が阪神にいた時、投手コーチとして面倒を見たのは山口高志、中西清起、久保康生、香田勲男、金村暁、福原忍などでしたが、ちゃんと話を聞いたのは新人時代の中西と、現役時代から何かと目を掛けてくれていた福原ぐらい。同僚のメッセンジャーから『コーチの助言に耳を傾けるべし』と、叱咤されたこともありました。

 野村克也氏は『お手本となるピッチャーの教えにもっと耳を傾けなさい』『阪神にはメッセンジャーという素晴らしいお手本がいる』とボヤいていましたし、落合博満氏も『ランニング不足。下半身が弱い』と指摘しましたが、本人に響いた様子はナシ。OB、コーチ、同僚……誰の話も聞かないということです」(同上)