身内による壮絶な体験を乗り越え、エンゼルスのザック・クリストファク投手が28日(日本時間29日)、本拠地・ツインズ戦でメジャーデビューを果たし、2回3安打、2奪三振を奪い、2失点ながらも自責点ゼロの投球内容だった。

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 5-9の8回から登板した26歳右腕は味方のエラーも絡んで2点を失った。9回は先頭打者に二塁打を浴びるなど、1死満塁のピンチを招いたが、最後はダブルプレーでしのぎ0点に抑えた。

 クリストファクには、母が父に殺害されるという辛い“過去”があった。米メディア「ジ・アスレチック」のエンゼルス番サム・ブラム記者が昨年9月に「彼の父親は母親を殺害した。エンゼルスのプロスペクトは、今、光を見つけている」のタイトルで報じ、同年の優秀記事の1つに選出された。

 2012年12月22日(同23日)の午後、アトランタの郊外での出来事だった。当時15歳だったクリストファクは野球の練習を終え、帰宅すると大勢の警官が家を取り囲んでいた。最初は火事だと思ったが、消防車が来ていないことにすぐ気が付いた。急いで警官の元へ駆け寄った。その警官に両親について尋ねられた。

 数時間前にクリストファクの母ドナさんは、彼を野球の練習に送ったばかりだった。彼が戻ると、母親の黒いホンダ・オデッセイはガレージの近くに駐車してあり、地面には血があった。EMT(救急医療士)が心肺蘇生を試みた場所だ。時すでに遅し。後に、母親が父親のジョン被告に殺害されたと知った。