ホロコーストを生き延びた96歳男性、ロシアの攻撃で死亡 ウクライナ
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b5c0d17cbdad75e7ab2d40ce3dd8b97c6ee69b5

(CNN) ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を生き延びたボリス・ロマンチェンコさん(96)が18日、ウクライナ北東部ハリコフでロシアの攻撃により死亡したことが分かった。

ロマンチェンコさんの死についてはブーヘンバルト強制収容所の追悼施設が一連のツイートで確認した。

同施設によると、ロマンチェンコさんはブーヘンバルトのほか、ペーネミュンデ、ドーラ、ベルゲン・ベルゼンの各収容所を生き延びた。

同施設は訃報(ふほう)を聞いて「ぼうぜんとなった」とコメント。ロマンチェンコさんはナチス・ドイツの犯罪を記憶するために熱心に取り組み、ブーヘンバルト・ドーラ国際委員会の幹部も務めていたと説明した。

1945年11月にブーヘンバルト強制収容所が発見されたのをきっかけに、第2次世界大戦中のナチスの収容所で最大規模だった同収容所から2万1000人以上が解放された。

孫娘が同施設に語ったところによると、ロマンチェンコさんの住んでいたハリコフの集合住宅がロシアの攻撃中に被害を受けたという。

ハリコフの新聞は2018年、ロマンチェンコさんが米軍によるブーヘンバルト収容所解放から73周年に合わせ同収容所を訪問したと伝えていた。

ウクライナ大統領府のイエルマーク長官はテレグラムでロマンチェンコさんの死に言及。ウクライナへの侵攻は同国をナチス分子から救うためだとするロシアの主張に暗に触れ、「これが彼らの言う『非ナチ化作戦』だ」と述べた。

クレバ外相はツイッターでロマンチェンコさんの死を「言語に絶する犯罪」と呼び、「ヒトラーを生き延び、プーチンによって殺された」とつづった。