福岡で養殖アサリ450キロ盗難か 国産品薄の中 漁協が被害届
https://news.yahoo.co.jp/articles/a04d10ea07b012157b7770df75c0188d065e9657

 福岡県吉富町の吉富漁協(山本宗一組合長、70人)が養殖しているアサリ約450キロがなくなっていることが22日、同漁協への取材で明らかになった。漁協は盗まれた可能性もあるとして、苅田海上保安署に被害届を出し、同署も調査に乗り出した。

 同漁協は町の特産品として売り出すために4、5年前から試験養殖に着手。砂利などを入れた約50センチ四方のネットを海中に沈め、浮遊するアサリの幼生を付着させて、成貝まで育てている。2、3年で直径3センチほどになるという。

 毎年2、3月ごろに、約1000袋のネットを吉富漁港の沖合約100メートルの干潟2カ所に沈めている。今回被害に遭ったのは2年前に沈めた約300袋分という。東側に沈めた700袋分は無事だった。干潮時は陸からもネットが見え、「2月の初めにネットがほぼなくなっているのに気付いた」と山本組合長。しばらく内部調査を進めたが、海保に一任することにしたという。

 アサリの産地偽装問題を受け、国産アサリは品薄状態で価格も高騰している。吉富漁協は町のイベントや潮干狩り用に提供しており、まだ市販ルートには乗せていない。山本組合長は「町とも相談して防犯カメラの向きを海側に向けるなどの対策を講じたい」と話した。