福田笠原松本の三人と雀卓を囲んでいる男が一人、ミスター安牌こと巨人小笠原死刑囚(42)だ。
賭博容疑で退団したこの三人と麻雀をしたいが為に、わざわざ落合GMの元へと麻雀を教わりに行ったほどのカッス。
1000点4億3000万円の高レートで勝負を申し込んできた。
三人は「そんな大金俺らもお前も持ってないだろ」とレートを落とすようカッスに抗議したが「足りない額は原がどうにかしてくれる」の一言で無事解決。
こうして半荘での勝負が始まった。

東一局、一番初めにあがったのはなんとカッス。

|三|三|四|3|3|4|(3)|(3)|(4)|金|金|玉|玉|玉|

の暗黒同順でカス満和了。
他三人にリードをつけたカッスは次局から役牌のみで即上がりする畜生戦法を披露。「加槓でしょ」の一言で符数を増やすことも忘れない。
気が付けばオーラス、カッスは他三人に33400点の差をつけていた。
そんなオーラス、親であるカッスの配牌は

|藤|浪|晋|太|郎|大|大|雄|大|メッ|セ|ン|ジャ|ー|

酷使無双|野|単騎待ちだ。配牌時点での役満聴牌に胸を躍らせるカッスは躊躇なく|大|切り。
しかしその刹那、福田笠原松本の三人が「サンキューカッス」の一言とともに手牌を倒す───

|日|本|ハ|ム|ファ|イ|タ|ー|ズ|小|笠|原|道|

髭一色───
奇遇にも三人とも同じ手牌、同じロン牌での役満だった。
カッスはたまらず椅子から転げ落ち、頭を抱えながら苦しそうに悶えた。
その様子を見ていた笠原が「何か思い出そうとしているんだろ。冥土の土産だ、持っていけ」とカッスに向けて牌を放り投げた。
牌を受け取ったカッス、その牌には「北」の文字が。
それを見た瞬間、全てを思い出したガッツはうっすら髭の生えた口元でニッコリと笑みを浮かべ「ありがとう笠原」との言葉を残して安らかな眠りへと静かについた。

この件について大正義原監督は「僕はイカサマが上手でね、本当ならシーズン終盤にでも見せてあげたかったよ」と手元で燕返しの動作を披露した。

なお、巨人軍の面子はまだまだ厚くなる模様。