>>82
はい



がん見つかった母親が「あの立浪さんが…と大喜びでした」中日・大西コーチが新監督のために“全身全霊”と誓う理由


2003年のシーズン中。遠征先のホテルのエレベーターで、立浪と一緒になった。顔色が悪く、珍しく覇気がない大西を見て、すぐに察した。「何かあったんやろ?」。観念して打ち明けた。

 「僕の母に咽頭部のがんが見つかった直後でした。余命宣告もされて、僕は途方に暮れていたんです」

 数日後、ナゴヤドームの大西のロッカーに、末期がんの治療や投薬を紹介する2冊の本が置かれていた。重要な部分には付せんが貼られており、買っただけでなく立浪が読んだことがわかった。医師が余命宣告するのだから、もはや打てる手は限られている。しかし、患者や家族はどんなに細くても、希望の糸を探すものだ。大西は病室にその本を届けた。

 「そらもう大喜びでしたわ。『あの立浪さんが、私のために』ってね。あの時の母の顔が忘れられない。僕からすれば、母の喜ぶ顔を見られただけでもうれしかった」

 この2年後のオフに、世代交代を推進する中日を出て、金銭トレードで巨人に移籍する話が進んでいた。その背中を押してくれたのも立浪だった。

 「中日で終えるのが一番なのかなとも思ったんですが、母が生きているうちはプロ野球選手でいてあげたいとも…。悩んでいた時に、立浪さんが『おまえはまだできる。やれ』と。しかもわざわざ、僕の家まで来てくれて言ってくれたんです」

 母は巨人ファンだった。息子が入ると知り、ほほ笑んでくれた。

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