コロナ禍のなか、「帯状ほう疹」の患者が急増したと言います。一体なぜなのでしょうか。

近畿大学医学部皮膚科学教室 大塚篤司 主任教授
「私が近畿大学で患者さんを診ている限りでは、去年の春から夏にかけては、患者さんが非常に多く増えた印象があります。だいたい1.5倍〜2倍くらい患者さんを診た印象はあります」

こう話すのは近畿大学医学部皮膚科学教室の大塚篤司主任教授。
コロナ禍の今、帯状ほう疹に警戒が必要だと警鐘を鳴らします。

近畿大学医学部皮膚科学教室 大塚篤司 主任教授
「高齢者の人が基本的にかかりやすいので、50代以上の人が多いんですが、20代でも受診される人がいて、それは普段とは違う印象がありました。コロナ禍でストレスがかかって、帯状ほう疹発症する可能性がひとつあります」

帯状ほう疹の原因は、子どもの頃にかかった水ぼうそうが治った後も体内に潜伏しているウイルスです。
ストレスや疲れ、免疫力の低下などにより、これが再活性化し、帯状ほう疹を発症するといいます。

また、新型コロナワクチンの3回目接種後に帯状ほう疹が出たというケースも。

帯状ほう疹を発症した男性(20代)
「最初は背中がかゆいだけだと思っていて、背中なので自分で見られないので、虫刺されと思って放っておきました。3日くらい経ってから、知人に背中を見てもらったら、虫刺されっぽくないと言われて、確かにその時、水ぶくれのようなものができていたのと、範囲も広がっていました」

男性はすぐに、かかりつけのクリニックを受診。
帯状ほう疹と診断され抗ウイルス薬を処方してもらいましたが、その後、かゆみのほかに頭痛や発熱の症状が出たといいます。

帯状疱疹を発症した男性(20代)
「コロナワクチンを打ってから10日後ぐらいだったので、心当たりがあるとしたらそれくらいだと思っています。クリニックも2つ行ってみて、最初発症してから月曜日に受診したクリニックと、熱に出た日に受診したクリニック、どちらともで「コロナワクチン接種後に帯状ほう疹が出た人が数人いる」と言われました」

大塚主任教授は新型コロナワクチンと帯状ほう疹の直接的な関係は分かっていないとしたうえで、接種後は注意が必要と話します。