借金11に沈む阪神が、さらに試練の1週間を迎える。14試合でリーグ最低38得点の打線は、12日からの中日戦(バンテリンD)、15日からの巨人戦(甲子園)で大野雄、柳、菅野らの先発陣と対戦。強敵がズラリと待つ6連戦を前に、井上ヘッドコーチは「エース級ばかり当たるけど、そこでやっぱり殻を破っていかないと」と気持ちを込めた。

 巨人戦では初対戦で攻略法が読めないシューメーカー、3日(東京D)に7回2失点の好投を許した赤星の先発も予想される。5日にセ・リーグ史上最悪の開幕9連敗で止めた後も1分けを挟み3連敗。4試合連続3得点以下の中、同ヘッドは打線の改造も「もちろん考えながら」と示唆した。

 1番・近本と4番・佐藤輝は不動だが、オープン戦では3番・近本の形にも手応えを得ていた。その場合、1番は島田。開幕前に新型コロナに感染したが、9日に昇格後は代打で2試合連続出塁とアピールした。俊足の26歳はオープン戦で打率3割4分5厘と打力も成長。矢野監督が「1番に入ってくれたら、近本の3番はいける。足もあり、相手には嫌な打線」と期待していた布陣も見られそうだ。

 既に首位の広島と8・5ゲーム差だが、10差以上からの逆転優勝も過去7度ある。最大差は63年西鉄の14・5。セ・リーグでは08年に巨人が13差、最近では16年に日本ハムが11・5差をはね返した。開幕から最下位独走と背景は違うが、逆に残り試合も多い。この6連戦次第でそんな前例の“デッドライン”も迫る中、打開策は必須だ。(安藤 理)