0090それでも動く名無し
2022/04/14(木) 15:23:58.38ID:ye893YhUa審判といえど、なんといってもカラダが資本。ずーっと立ちっぱなしの激務ですから、体力がないと話になりません。ですから自主トレでは、体力維持のための筋トレや走り込みがメインとなるのだそうですが…面白いのは、審判同士で「キャッチボール」をとことんやる… というところ。
なぜ、審判なのに、キャッチボールを一所懸命やるのでしょう? コレ、いざ試合になった場合のことを考えると腑に落ちます。球審をつとめた場合、ピッチャーにボールを返球しなくてはならない場合が、ままありますよね。そんな時、もしボールがマウンドまで届かなかったりしたら、試合進行の妨げになります。そこで、審判同士でキャッチボールをして、ちゃーんと肩をつくっておく… というワケなんです。
こうして、基礎体力ができたところで、キャンプインの2月1日がやってきます。プロの審判たちは、NPB(日本プロ野球機構)により、12球団のキャンプ地に、バーッと、一斉に派遣されます。そして、ブルペンに入りまして、本番さながらに「ストライク」「ボール」の判定を練習! 荒れ球の新人投手が投げる時は、複数の審判が、同時にジャッジすることもあるそうです。新人投手の牽制球に対して、ボークかそうでないかを、確認したりもします。
ルールの変更に伴う確認やミーティングも、この時期にミッチリと行われます。
こうして審判員たちは、練習やミーティングに加え、練習試合や紅白戦などを実際にさばきながら、開幕までに、判定の勘と技を、しっかりと仕上げていくのですが… 大事なものがもうひとつ! そう… 「声」です!キャンプ地では、先輩の審判に海辺へと連れていかれまして、大声での発声練習が行われます。
「アウトオオオオオオオ!」
「声が小さい!波の音に負けるな、もう一度だ」
「アウトオオオオオオオオオオオオ!」
──もちろん、「大きなアクション付き」で声を出さないと、何度でもやり直し。新人の審判たちにとっては、この「声だし」の練習が、いちばん恥ずかしいのだそうです…。
さて、基本的には目立っちゃいけない審判も、許される場合があります。それが、ストライクアウト(三振)のときのポーズです。いま、いちばんド派手なポーズを見せる審判として有名なのが…敷田直人審判員(46)です。この敷田さんがストライクアウトのときにみせるポーズは、俗に「敷田の卍」と呼ばれます。一塁方向へ腰をひねり、左腕をボディーブローのように突き上げ、肩の高さの右腕を引く。膝を低く曲げた両足と合わせると、見事な「卍」のかたちにみえる、というワケです。
この「敷田の卍」は、人気のゲーム「プロ野球スピリッツ」(コナミ)でも採用されるほど、野球ファンの間ではおなじみのポーズに。でも…こういうオリジナルな動きが認められるのも、敷田審判員が20年選手のベテランで、判定の腕が確かだからです。
通常、プロの審判員になってから「約3年間」は、ストライクのときは右腕を挙げるだけ!
3年間は、この基本形を、徹底的に体に染みこませます。そして一人前のお墨付きを得た審判員だけが、独自のポーズを許されることになるのだそうです。
実は、明日からのキャンプは、独自のポーズをもくろむ審判の正念場でもあるんです。ここで、オリジナルのジェスチャーを考えてきた審判員が、先輩たちの前で新ポーズを披露。認められたものだけが、晴れて合格… となるのだそうです!
審判のキャンプの様子