大山を象徴する一つのエピソードがある。何年か前に2人で食事をした後の帰り道。交差点で赤信号を目の前にした時、大山が歩く足を止めてボソっと言ったという。

 「俺は行かない。こういうのが(野球に)つながると思うから。絶対に信号無視なんてしないよ」

 当然のことと言えば当然のこと。ただ、真剣な表情で「絶対に…」と話しながら横断歩道の前に立つ大親友を見て、龍さんはうれしい気持ちになったそうだ。「悠輔は何も変わっていないな…って思います。お金をいっぱい稼いで身に着ける物は変わったかもしれないですけど、中身は全然(変わらない)。本当に真面目なんです」