ズバ抜けた能力を持っていた佐々木朗が強豪校の誘いを断って、中学時代の仲間と甲子園へ行きたいという理由で地元の大船渡高を選んだ話は有名だ。そんな仲間を大事にする姿勢は、日頃からの練習の表情やチームメートへの接し方を見てうなずける。

 アップ中は石川や美馬ら10歳以上離れた先輩とも、楽しそうに会話をする。グラウンドでは笑みを絶やさない。キャンプ中にキャッチボールをすることが多かった小沼は「たまにおちょくるようなしぐさも見せるんですけど、よく寄って来てくれて『小沼さん、球速いっすね〜』とか、言うんですよ。本当に仲良くさせてもらっています」と証言する。投手ノック中も「守備うまいっすね〜」と声をかけられ、その気にさせられてうれしかったという。

 外国人選手とも仲がいい。ロメロとは英語を駆使して会話することも。「ドミニカの歌を朗希に教えているんだ」と真剣に話を聞く佐々木朗の姿に助っ人左腕は感心する。人懐っこく、慕われる20歳の存在感は日に日に高まっている。

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