コロナ禍で仕事が10分の1に激減し、キッチンカーで再出発したお笑いコンビ「8.6秒バズーカー」のはまやねん(31)に各地から出店オファーが相次いでいる。12日には東京・永田町の衆議院会館を訪問。複数の国会議員や秘書と面会し、キッチンカーによる東北復興支援や地方活性化などを打診された。これまでの出店依頼は「100件以上」に上り、手応えを示している。(取材・文=水沼一夫)

 はまやねんのド派手な赤いキッチンカーが国会議事堂前に現れた。スーツ姿の通行人や警備員の目が一斉に注がれる。車から姿を現したサングラス姿のはまやねんは、手続きを済ませて衆議院会館に入館すると、複数の国会議員や秘書と面会した。

「今どこらへんで出しているんですか?」「全国回るんですか?」と矢継ぎ早に質問を受ける。「これを機に、東北の被災地を盛り上げてほしい」との切なる声もあった。どこにでも行けるのがキッチンカーの強み。「大学生のころに3・11があった。ボランティアで行きたいと思っていたけど、どこに連絡していいのか分からず、勇気もなくて、モヤモヤしていた」というはまやねん。「僕ら自身もやりたいと思っていたこと。今年中には絶対顔を出したいと思う」と東北訪問を約束した。

 キッチンカーを千葉・手賀沼で始めたのは3月から。知名度のあるお笑い芸人の副業は話題を呼び、今では週末の営業のたびに大行列ができる人気店となった。その生活はがらりと変わった。3月27日には、フジテレビ系「ワイドナショー」に出演し、「ダウンタウン」の松本人志らと言葉をかわした。地上波のテレビ出演は、実に「3〜4年ぶり」。しかも、コンビではなく単独で、「1人で松本さんとかと会うのが初めてやったのでずっと緊張していましたね。頭が真っ白になっていました」。

 4月1日には最初にキッチンカーの出店場所を提供してくれた我孫子市長を訪問し、感謝の気持ちを伝えた。さまざまなメディアで取り上げられ、出店依頼は「100件以上来ています」と殺到。はまやねんのSNSには、北海道から沖縄まで全国からDMが届いている。

 これまで2人で切り盛りしていたところを後輩芸人を1人増やし、1日に用意できるメニューを120食程度まで増やした。それでも完売してしまい、並んで買えなかった客には写真撮影に応じている。

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