巨人は9回に守護神・大勢(翁田大勢)が踏ん張れず、ヤクルトに逆転負け。今季2度目の3タテを食らい、4連敗で3位に転落した。大勢がプロ初黒星を喫し、ゴールデンウィークは1勝8敗。菅野、坂本、吉川と主力が次々と離脱した悪い流れは、大勢でも止められなかった。首脳陣は10日のDeNA戦(新潟)から、中田を昇格させることを決断。打てる手を打ち、立て直しを図る。

 トンネルの出口が見えかけたところで、まさかの結末が待っていた。失敗知らずの大勢がつかまった。1点リードの9回1死一、二塁。左中間を襲った山崎の打球を、立岡が懸命に背走して精いっぱい手を伸ばす。グラブで触れたが、捕球できなかった。2者が生還し、逆転を許す。守護神の初のセーブ機会失敗で、2度目の4連敗が決まった。「ちょっと勢いあったね、ヤクルトがね」と原監督も大勢をかばった。

 とは言え、大勢で負けたなら責められない。1死から代打・中村に左翼線二塁打を許す。塩見の打ち取った当たりが遊撃内野安打となるなど、運もない。続く山崎に初球を捉えられ、2点二塁打で逆転を許した。原監督は「今日は少し、真っすぐがちょっと単調になったところがあるかもしれない。球種は持ってるわけだから」と配球面を指摘。そこまでの打者4人で16球中15球が直球だった。最大の武器を生かすのも変化球を交えてこそ。その上で「いろんな意味で勉強よ。次につなげることが非常に大事なこと」とこれまで12度の機会で全てセーブをマークしていたルーキーに、さらなる糧にすることを願った。

 落とせない一戦で、指揮官は攻めのタクトを振った。同点で迎えた5回。高橋が先頭、投手のサイスニードに四球。続く塩見のライナーが三直併殺となっても、青木に右翼フェンス上のバーを直撃する二塁打を浴びた。痛打を味方の好守に救われながら、あわや勝ち越し弾献上、という高橋に勝利への流れは見いだせなかった。「非常にツキがあったというところで、ああいう形になった」と原監督は傷口が開く前に継投策に移った。鍬原が2死二塁の危機を断ち、指揮官の執念に応えた。

 7回には今村が、1死から3連続四死球で塁を埋めたところでデラロサへスイッチ。1死満塁という絶体絶命の危機を、犠飛の1点のみでリードを保ち、そのまま回またぎで8回も3人斬り。できる手を打って9回までつないだ以上は、この日は相手に上回られたと素直に認めるべきだろう。

 今季2度目の同一カード3連敗にもなり、3位に転落。過ぎたことを振り返っている時間はない。首脳陣はファームで調整している中田を10日から1軍に昇格させることを決断。2軍戦で降雨ノーゲームで幻と消えた2発も含めれば“10戦6発”と爆発力を取り戻した大砲には坂本、吉川を故障で欠く打線の破壊力増の期待がかかる。1勝8敗と苦しんだゴールデンウィークの終了を、切り替えるいいタイミングと捉えるしかない。

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