>>627
こと日本の国の中を見返してみても、インターネット発の音楽が、ものすごく大きなものになってきている。それこそボーカロイドシーンから出てきた後輩……と言うと偉そうに聞こえるかもしれないですけど、自分の同郷の人間たちが、すごく大きな存在になってきているじゃないですか。これはすごく喜ばしいことなんです。俺はものすごくうれしいんですよ。それでこそ自分がやってきたことに意義があったんだと思うし。

──かつてハチ「砂の惑星」で「砂漠に林檎の木を植えよう」と歌っていたわけですが、言ってしまえば、それが実ったとも言えると思います。

ただ、それはそれで、居心地の悪さを感じる部分もあって。もちろん今がんばっている同郷の人間たちを毀損したくないんですが、そればっかりになっているという気持ち悪さがあるんです。今はライブを武器にしている人間がものすごく生きづらい世の中になっている。その一方で、ボーカロイドというものがある種のブランド化しているところもある。「ボカロ出身だったらいいでしょ」みたいなキナ臭いものを感じるし、それをうまい具合に利用しようとする空気もあるなって。自分にとって過ごしやすい世の中になってしまって、個人的には非常に居心地が悪いし、本当に味気なくなりましたね。

https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi17/page/3