セレッソ大阪と元日本代表MF乾貴士(33)が、途中退団の方向で調整に入ったことが27日、分かった。4月に規律違反を起こした乾は、クラブからの全処分が解けた5月16日以降も全体練習に合流しておらず、両者の関係は事実上、修復不可能な状態。乾とは来季以降も契約が残るが、クラブにとっては苦渋の決断になりそうだ。

昨年8月末に欧州から10年ぶりに古巣復帰していた乾について、クラブは同選手と1年もたたずに退団の方向で調整に入った。

4月5日柏戦で、乾は途中交代を命じられた際にベンチでスタッフに暴言を吐き、試合後も同様の行為があった。クラブからは計8試合の公式戦出場停止と、5月14日までの全体練習参加を禁じられ、前例のない厳罰が下った。

全体練習への合流は、全処分明けの5月16日の予定だった。しかし、4月14日に正式な処分が出た時点から、乾は自身の言動を深く反省したものの、クラブとの話し合いは前向きに進まなかった。むしろ、溝はさらに深まったという。

乾がチームを離れて50日以上がたち、合流するべき全体練習に参加せずに12日が経過した。この間もクラブは、乾へ練習参加を促し、5月中旬には森島社長との1対1の面談も実現したが、ここでも物別れに終わった。

乾の離脱後、チームは得点力不足に一時苦戦したものの、J1では現在2連勝中で5位まで浮上した。2列目の左にはパトリッキが定着し、若手や中堅の台頭もあり、乾の居場所はなくなりつつある。

森島社長は25日の時点で「(乾を)受け入れる準備はしています」と説明していたが、近くメインスポンサーのヤンマーを含めて最終的な結論を出す。乾はヤンマーの企業アンバサダーを個人で務めており、各方面で調整が必要だが、退団の流れは避けられない。

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