今後、パイレーツは他の29球団に対して、ウエーバーにかけて獲得の意思を問う流れになるだろうが、獲得の意思を示した球団には年俸400万ドルの残り分(約300万ドル)の支払い義務が生じる。なのでこの時点で獲得を名乗り出る球団はないだろう。その後は自由契約選手となる。そうなれば以降、獲得する球団はマイナー契約を締結して、メジャーに昇格させた場合だけメジャー最低年俸(70万ドル)の日割り分を支払うだけでよくなる。手を挙げそうな球団はオリオールズ、アスレチックス、マーリンズの3球団だ。

「筒香はすでにメジャー3球団を渡り歩いた。選手としての評価は知れ渡っているだろう。高い年俸で契約する球団はもう望めないはずだ。あくまでも大リーグにこだわるのであれば、他球団でのマイナー契約を受けいれて、そこで結果を出すしかないと思う」と大リーグ関係者は話した。

筒香の帰りを待つDeNAは「いつでも門戸を開いている」とラブコールを送り続けている。しかし、現時点では筒香の日本球界復帰の可能性は低い。今春のキャンプ中から背中を痛めていた。それでも、チームには報告せずにプレーを続行した。メジャーに生き残るために我慢し続けてきたのだろう。今回の「腰の筋肉の張り」も、キャンプで背筋を痛めたこととの関連があるのかもしれない。何が何でもメジャーで成功するんだ-という執念が感じられる内幕だ。なので、再びメジャーでのプレーを夢見て、新天地に向かう可能性の方が高い。

あるテレビ番組でDeNAの元監督で、筒香を4番打者に育てた野球評論家の中畑清氏が、海の向こうで苦しむ愛弟子(まなでし)に関して「もうそろそろ…」と言葉を飲み込んでいた。日本球界に帰ってくれば、かつての輝きを取り戻せるはず…という親心がひしひしと感じられた。それでも筒香はいばらの道を歩み続ける。その先には何が待っているのか-。
https://news.yahoo.co.jp/articles/07f3a19dacc61f986d1e516f6c94ce2350703f19