事の真相は一体、何だったのか。中日のコーチ人事を巡って、多くの球界関係者が今もなお首をかしげている。交流戦開幕直前の5月23日、中村紀洋1軍打撃コーチが2軍に、代わって、波留敏夫2軍打撃コーチが1軍へ、それぞれ配置転換となった一件だ。開幕から2カ月足らずでの入れ替えは、異例中の異例と評していい。

(中略)

立浪監督の布石
 立浪監督が同じ大阪・PL学園OBで2年先輩の清原氏を慕っているのは有名な話だ。球界への本格復帰に関しても、「何とかしてあげたい」という思いは当然のことながら強い。だからこそ、薬物事件で逮捕・起訴されて以降、NPB球団から事実上の締め出しを食らってしまっている清原氏を、今年の春季キャンプへ「ゲスト」として招き、その布石を打った。

 1軍キャンプ地・北谷球場の三塁側ベンチで立浪監督とにこやかに談義を交わす中、挨拶に訪れた将来の大砲候補・石川昂に清原氏がアドバイスを送るシーンも見られるなど、大きな話題を集めたのは記憶に新しい。

 さらに清原氏は、3月29日にバンテリンドームで行われた中日の本拠地開幕戦に東京からわざわざ足を運び、立浪監督を激励している。5月25日の対西武との交流戦では、地元テレビ局「CBCテレビ」の解説者として、再びバンテリンドームの放送ブースから立浪ドラゴンズの戦いに熱視線を送った。

 そのナイター中継の放送中には、「立浪監督との繋がりがあって、こういう仕事をいただいたりしていますから。後輩でありますけど感謝しないといけないですね」とも口にしている。

「清原氏と立浪ドラゴンズとの“ホットライン”は、日を追うごとに強化されていると言っていい。立浪監督とPL学園時代のチームメートで同い年の片岡篤史2軍監督もまた、先輩・清原氏と昵懇の関係にある。立浪監督と片岡2軍監督の2人は、清原氏を“野球人”として心の底から尊敬しており、タイミングを見計らいながらコーチングスタッフとしての“入閣”も熱望していると聞く。そういう背景もあって、今回、中村コーチが2軍へ“左遷”されたことで、『来季、清原さんがドラゴンズの1軍打撃コーチに収まるのではないか』と、チーム内や球団内でウワサされ始めている」

 仮に清原氏の招聘が実現すれば、インパクトは絶大だ。コーチとしての手腕は確かに未知数であるものの、現役時代の実績は申し分なく、そのカリスマ性がチームに大きな変化をもたらすと期待する向きもある。
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