2021年の世界のGDPランキングを見ると、3位の日本と4位のドイツとの差は
わずか17%にまで縮まった。これで2022年に円安・ユーロ高が進行すると、
今年の統計で日本がドイツに抜かれて4位に転落する可能性すら出てきている。

日本は1968年から2009年まで42年間、世界の国別GDPランキングで
アメリカに次いで2位だった。2010年に中国が日本を抜いたため、
2010~21年の12年間は3位を維持していた。

しかし今、その3位の座すら危うくなってきている。
2021年の世界のGDPランキングを見ると、3位の日本が4兆9400億ドル、
4位のドイツが4兆2200億ドルでその差はわずか17%にまで縮まっている。

なおこの記事で「〇%差」という場合、少ない方を基準にして多い方が
何%多いかを指すものとする。つまり上の例ではドイツを100%とした場合、
日本は117%ということだ。これが多い方の日本を基準にした場合、
△%差の数字はまた変わってくる。

2020年は日本が5兆500億ドル、ドイツが3兆8500億ドルの31%差だったので、
2021年の数字は2020年よりかなり差が縮まった。

1年でこれだけ差が縮まった要因の1つはやはり為替レートだ。
GDPの国際比較は米ドル建てなので、為替レートの影響を大きく受ける。
2020年のユーロ/円レートを見ると、年間の大雑把な平均で1ユーロ=120円、
年末時点で125円だった。しかし2021年は平均、年末とも1ユーロ=130円まで円安になった。

1ユーロ=130円の2021年で17%差だったということは、2022年に為替レートが
あと17%円安・ユーロ高に動くと、両国の成長率が同じだったとしても
日本はドイツに抜かれて4位に転落する。