この回からマウンドには2番手の藤井が登り、捕手も7回に甲斐の代打で出場した渡辺にスイッチ。だが、先頭の3番山田に初球から4球ストレートを続けると、5球目の151キロ高めストレートを完璧に捉えられ、左翼テラス席への13号ソロとされた。
 終盤でリードを2点差に広げられた痛恨の一発に試合後、藤本監督は「真っすぐばかり、トリプルスリーを2回(3回)やっている打者に行くかなというところもね。あのファールを見てどうだったのか」と苦言。直前の3球目には、ほぼ同じコースへの149キロ直球をタイミングが完璧に合ったバックネット方向へのファウルとされていた。
 プロ初スタメンでの試合でプロ初安打の初本塁打から2打席連発をマークするなど打撃では、好アピールを続けている育成出身の渡辺だが、支配下登録からまだ1年弱。それだけに藤本監督も「1点差でいったけど、勉強。その辺は勉強中なんでね」と、悔しい経験が成長につながることを期待していた。