最下位から“立て直して日本一”中日にもできる…6試合見て確信した「チームの強さはFAでなくドラフトで決まる」
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 あと3日で師走だというのに、最後まで野球を堪能できた幸せ。しかし体は「ほっともっと」で震えていても、心はどうしても新生ドラゴンズにも向いてしまう。セパともに2年連続最下位から立て直しての優勝だ。中日にもやれないはずがない。

 6試合を見て、改めて確信したことがある。「チームの強さは骨格(中軸)で決まる」。そして「骨格はFAではなくドラフトで決まる」ということだ。

ヤクルトには山田、村上、オリックスには吉田正、山本と2人ずつの金メダリストがいる。山本を除く3人はドラフト1位。

ただし、有名な話だが山田は「外れの外れ」で村上は「外れ」。雑草ではないが、決してその年の「目玉」ではなかった。4位の山本にいたっては「まさか侍ジャパンのエースになるとは」というのが正直なところだと思う。

 そして、両チームには「ネクスト侍」が控えている。高卒2年目の奥川と宮城だ。奥川は「目玉」だったが、宮城は「外れの外れ」。順調にキャリアを重ねれば、彼らは次のWBCでは有力な候補となってくる。
 「ドラゴンズから1人でも多くの代表が選出されることを、強く願います」。これは東京五輪直後に、大野雄が語ったことだ。野球は団体競技だ。

しかし、侍ジャパンに選ばれるような個人がいてこそ、チームは強くなる。そして侍の中でもまれれば、その個人もさらに強くなる。この言葉の奥には、そんな意味が込められている。

 「外れ」の村上と「外れの外れ」の山田に宮城。侍ではないが、オリックスの4番・杉本は、ドラフト10位からついに覚醒した。

彼らの経歴が教えてくれるのは、ドラフトで逃げてはいけないということ。そして、その先にも必ず「宝」は眠っているということだ。大事なのは三拍子やバランスではなく、スケール。大補強などしなくても、充実したドラフト戦略が、必ず竜を再建する。