いまだ本領発揮の時は訪れていない。メジャー通算109発を誇るソフトバンクのフレディ・ガルビス内野手(32)に、今季2度目となる「二軍再調整」の可能性が出てきた。

 開幕から打撃不振が続いたガルビスは5月上旬に二軍に降格。今月7日にファーム首脳陣からの推薦を受けて一軍再昇格を果たしたが、阪神、ヤクルトとの交流戦2カードで打率1割8分2厘(11打数2安打)という低調な数字とともに打撃内容も振るわなかった。

 かねて大きな期待を寄せて「2番固定起用」を開幕から描いていた藤本博史監督(58)は、両打ちの大物助っ人の現状をこう語る。

「半速球は何とかできるんだけど、速い球に対してどうかなというところ。メジャーで速い球を打ってきてるんだけどね…。日本の投手よりも向こうの方が速いんだけど、速い球に対応できていないというのが心配なところ」

 実際に2試合にスタメン出場した阪神とのカードでは、140キロ台中盤の真っすぐに空振りするシーンが目立っていた。バットを短く持つなど何とか適応しようという姿勢は見られたが、結果がすべての一軍の舞台で明るい兆しが見えていないのが現実だ。

 11日のヤクルト戦では終盤に代打出場。12日の同戦ではベンチからも外れた。2年総額8億円超(推定)の契約で加入しているだけに、サポートするチームもガルビス本人も日本野球への適応に必死だ。かねてホークスは助っ人の力を存分に引き出して、ペナントを制してきた。栗原や上林といった主力がケガでシーズン早々に長期離脱となった今季は、余計に新戦力のガルビスにかかる期待が大きい。

 人柄も良く、メジャーで遊撃手としてゴールドグラブの最終候補に選出された守備力は健在。日本特有の配球を学び、タイミングの取り方に改善も見られる。それだけに新たな課題克服に早く着手すべきとの見方もある。

 大物助っ人のプライドもあるかもしれないが、〝不良債権〟化は何とも惜しいだけに、早い決断が下されるかもしれない。

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