プロ野球は交流戦が終了し、17日からリーグ戦が再開される。覇権争いがさらに熱気を帯びていく中、夏場以降は個人タイトルの行方もファンにとっては大きな関心事となる。投手部門で最大の注目は、阪神の青柳晃洋投手(28)だろう。ここまで7勝1敗、防御率0・89、勝率・875はいずれもセ・リーグトップで“投手3冠”。なかでも1950年の2リーグ分立後は70年の阪神・村山実しか記録していない、「防御率0点台」に期待が集まる。

2000年以降で、防御率1・50以下でシーズンを終えたのは、2011、13年にともに防御率1・27だった楽天・田中将大投手、21年に防御率1・39だったオリックス・山本由伸投手、11年に防御率1・44だった日本ハム・ダルビッシュ有投手の4例のみ。そもそも現代野球で防御率1点台前半をマークすること自体が至難の業であり、0点台となればまさに大偉業となる。

 青柳はここまで71イニングを投げて、自責点7。仮にシーズンで180イニングを投げたとすれば、自責点が19以下で防御率0点台のフィニッシュとなる。

 交流戦を防御率0・00で終えた右腕はリーグ戦が再開される17日のDeNA戦(甲子園)、前回登板の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成した今永との投げ合いに挑む。「相手エースとの投げ合いは意識します」と常々語るように、セ5球団のエース級との対決が、青柳の投球をさらに熱くさせる。圧倒的なパフォーマンスを見せている背番号50だからこそ、防御率0点台の夢を見たくなる。